STOP MAKING SENSE

ジョナサン・デミ監督がキラーなサイコホラー映画「羊たちの沈黙」でメジャーヒットをとばす以前の1984年にトーキング・ヘッズのライブを撮影したドキュメンタリー映画「STOP MAKING SENSE」のポスター。ADOREに鎮座しております。
フロントマンのデヴィッド・バーンのエイティーズを更にデフォルメしたかのような肩パットのジャケット、ぶっといズートスーツ風のファッションがインパクト大です。
内容の方はというと、セットも何も無いステージに一人登場し、ラジカセのPLAYボタンを押すとチープなリズムボックスの音。アコギ一本で歌いだす「サイコ・キラー」で観客の掴みOK。曲が進むにつれてメンバーが少しずつ登場し、裏方のステージスタッフ達もドリフの全員集合のコントの切り替え時のようにセットを作っていくのも斬新でユーモラスです。実際のツアーのドキュメンタリーなのですが、「ブレードランナー」を手掛けていたジョーダン・クローネンウェスの撮影とデミ監督のテンポの良い演出というかカット割りが見事で生観賞とは違った視点でライブの魅力を倍増させております。
演奏をバックアップするサポートメンバーもP‐FUNK軍団の天才鍵盤奏者バーニー・ウォーレルをはじめ、アフロ・アメリカン達が非常にエネルギッシュでオリジナルメンバー達と入り乱れ白黒混合でアフロ色が濃い演奏。ステージの色彩も見事。黒〜墨黒に統一された舞台に様々な照明を兼ねたローファイなカラーコラージュ、フォトコラージュが映し出される。メンバーのファッションもオサレ。

トーキング・ヘッズというバンドは活動歴が長かったという事もあり、NYパンク〜ニューウェイブ、アフリカン・ポリリズム導入〜カントリーロック風など一定のジャンルには特定されないスタイルで活動していましたが、メンバー達がアートスクール出身だからなのか非常に知的。アメリカのバンドにあるイモ臭さが感じられないバンドでした。確信犯的にダサい雰囲気を醸し出すが、これなんか思わず吹いてしまいそうです。

それが更にインテリオサレに感じ活動当時は小生もヤラレました。活動を停止した後にデヴィッド・バーンは中南米のラテン音楽に傾倒していくのだが、彼の音楽志向を追っていると充分に納得。音楽をARTとしてとらえるどころかどこまでも実験精神を忘れない音楽馬鹿です。
タイトルデザインはスタンリー・キューブリック監督の冷戦ブラックムービー「博士の異常な愛情」でローファイな手書きタイトルをデザインされていたパブロ・フェロという御仁のモノ。昔キューブリック好きの知り合いが映画館にて、冒頭でタイトルデザインを見て興奮した話をしてくれた事を思い出しました。KOOLです。
時代とは関係なく良いモノは良いという事で改めて観賞し続けたいと思う今日この頃です。長々とお付き合い頂きありがとうございました。更にお時間がおありの方は冒頭のサイコ・キラーをどうぞ。
posted at 2010/06/14 14:12:42
lastupdate at 2011/02/01 17:27:19
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